
「親の介護、いつかは考えなきゃ…でもまだ先の話だよね?」 「もし介護が必要になったら、どれくらいお金がかかるんだろう…?」 「親とはお金の話はしづらいけど、どう切り出せばいいんだろう?」
20代・30代のあなたは、まだ介護は遠い未来の話だと思っていませんか?
しかし、親世代の高齢化が進む現代において、親の介護は「突然」訪れる可能性のある現実です。そして、そのとき直面するのが、大きなお金の問題です。介護費用は決して安くはなく、家計に大きな負担となることも少なくありません。
このページでは、FP事務所MONEY BASEが、**親の介護にまつわるお金の不安を解消するために、20代・30代のあなたが今からできる「親への声かけ」と「準備リスト」**を具体的に解説します。
- 介護にかかるお金のリアル
- 親との「お金と介護」の話し方
- 今からできる具体的な準備リスト
これらの情報を知ることで、漠然とした不安を具体的な行動へと変え、親にとってもあなたにとっても、より安心して暮らせる未来を築きましょう。
1. 介護にかかるお金のリアル:平均費用と内訳を知ろう
「介護にはどれくらいお金がかかるの?」この疑問は、多くの人が抱く不安の源です。
生命保険文化センターの調査(2021年度)によると、介護にかかる費用は以下のようになっています。
- 初期費用(住宅改修費など): 平均74万円
- 月々の費用: 平均8.3万円
- 介護期間: 平均5年1ヶ月
これを単純に計算すると、介護にかかる総費用は「初期費用74万円 + 月々8.3万円 × 61ヶ月(5年1ヶ月)」で、およそ580万円にもなります。
もちろん、これはあくまで平均値であり、介護の状況や利用するサービス、地域によって大きく異なります。しかし、これだけのまとまったお金が必要になる可能性があることを、まずは頭に入れておきましょう。
【介護費用に含まれる主な費用】
- 介護サービス費: 訪問介護、デイサービス、施設入居など、介護保険が適用されるサービス利用料(1割〜3割自己負担)
- 介護用品費: 紙おむつ、ポータブルトイレ、車椅子など
- 医療費: 介護と並行して必要となる医療費
- 食費・日用品費: 施設入居の場合も、これらは別途必要
- 住居費: 施設入居費や、自宅で介護する場合の住宅改修費など
2. 親との「お金と介護」の話し方:今すぐ始める優しい声かけ
「親に介護の話をするのは気が引ける…」 「お金の話なんて、デリケートすぎて切り出せない…」
そう感じる方は多いでしょう。しかし、介護が必要になってからでは遅いこともあります。大切なのは、親が元気なうちに、少しずつでも話を進めておくことです。
親への声かけのポイント
- 「もしもの時」から切り出す
- いきなり「介護の話」をするのではなく、「もし、何かあった時に、どうすればいいか考えておきたいんだ」という姿勢で切り出しましょう。
- 例:「最近、ニュースで高齢者の交通事故とか、健康寿命の話をよく聞くから、もしもの時に備えて、一度ゆっくり話せないかな?」
- 自分の不安を正直に伝える
- 親を責めるのではなく、「自分も将来のことを考えていて、漠然とした不安があるんだ」と、素直な気持ちを伝えてみましょう。
- 例:「僕(私)も、将来親の面倒を見たい気持ちはあるんだけど、介護のことって正直よく分からないし、お金のこととかも心配なんだ。どう考えてるか、少し教えてもらえないかな?」
- 具体的なライフイベントに絡める
- 住宅のバリアフリー化や、実家の相続などの話題から自然に介護やお金の話に繋げることもできます。
- 例:「実家をそろそろリフォームするなら、将来的にバリアフリーも考えておいた方がいいのかな?そのあたりの費用ってどうなってるの?」
- 「知っておきたい」という姿勢で聞く
- 親のプライバシーに踏み込むのではなく、「知っておきたい」という謙虚な姿勢で話を聞きましょう。
- 例:「お父さん(お母さん)が困ったときに、すぐに助けられるように、どんなサービスがあるかとか、いくらくらい費用がかかるのかとか、今のうちに知っておきたいんだ。」
- 一度で全てを解決しようとしない
- 介護とお金の話題はデリケートです。一度の話し合いで全てを解決しようとせず、何度か時間をかけて少しずつ話を進めるつもりでいましょう。
- 聞く姿勢を大切にし、親の意見を尊重することが重要です。
3. 今からできる「親の介護とお金」準備リスト

親との話し合いと並行して、20代・30代のあなた自身が今からできる具体的な準備を進めましょう。
(1) 親に関する情報共有・把握リスト
- 連絡先リストの作成:
- 親の親しい友人、親戚、かかりつけ医、保険会社、銀行など、緊急時に連絡が必要となる人の連絡先をまとめる。
- 加入保険の確認:
- 生命保険、医療保険、介護保険、損害保険など、親がどんな保険に入っているか、保障内容や保険証券の保管場所を確認する。
- 金融資産の把握:
- 預貯金、株式、投資信託などの金融資産がどこに、どれくらいあるか把握する(おおよそで構いません)。
- 銀行の口座番号や証券口座の情報を、もしもの時にわかるようにしておく。
- ローン・借入金の確認:
- 住宅ローンやカードローンなど、親に借入金がないか確認する。
- 年金の種類と受給額の確認:
- 公的年金(国民年金、厚生年金)や企業年金など、親がどの年金に加入し、どれくらい受給しているか把握する。年金定期便などがあれば確認。
- 財産に関する書類の場所:
- 通帳、印鑑、権利書、保険証券、年金手帳、実印などの保管場所を確認する。
- 健康状態の把握:
- 持病の有無、常用している薬、かかりつけ医などを把握する。
- 介護に関する意思の確認:
- 将来、自宅での介護を希望するか、施設入居を希望するかなど、親の意向を確認する。(エンディングノートを活用するのも良い方法です)
(2) あなた自身の金銭的準備リスト
- 介護費用シミュレーション:
- 親の介護にかかる費用を具体的にシミュレーションし、どれくらいの貯蓄が必要か把握する。
- 生活防衛資金の確保:
- あなたがフリーランスの場合、自身の生活防衛資金を確保しているか再確認しましょう。親の介護が必要になった際、一時的に収入が減る可能性も考慮しておく必要があります。
- 資産形成の継続:
- NISAやiDeCoなどを活用し、自身の資産形成を継続することで、親の介護費用だけでなく、将来の自分の生活資金にも備えましょう。
- 自身の保険の見直し:
- もし、あなた自身が親の介護を全面的に担う可能性が高い場合、自身の医療保険や生命保険、就業不能保険なども見直しておくと安心です。
(3) 専門家への相談を検討するリスト
- 地域包括支援センター:
- 高齢者の総合相談窓口です。介護に関する情報収集やサービス利用の相談ができます。
- ケアマネージャー:
- 介護サービスの計画を立て、事業者との調整を行ってくれる専門家です。
- FP(ファイナンシャルプランナー):
- 介護にかかる費用のシミュレーションや、家族全体のライフプラン、資産状況を踏まえた資金計画の相談ができます。
- 税理士・弁護士:
- 相続や成年後見制度など、専門的な法律・税務の相談が必要になった場合に備える。
まとめ:親の介護は「他人事」から「自分事」へ

親の介護に関する問題は、突然訪れることが多く、その時になって慌てないためにも、20代・30代のうちから「自分事」として捉え、少しずつでも準備を進めることが大切です。
デリケートな「お金」や「介護」の話は、親と正直な気持ちで向き合い、ゆっくりと対話を進めることが第一歩です。そして、その話し合いを通じて得た情報をもとに、あなた自身が具体的な準備を進めていきましょう。
FP事務所MONEY BASEでは、「保険営業一切なし」の立場から、20代・30代の皆様の親の介護に関するお金の不安を解消し、具体的な資金計画のサポートを行っています。
- 「親の介護費用、具体的にどれくらいかかるかシミュレーションしてほしい」
- 「親とのお金の話、どう切り出せばいいかアドバイスが欲しい」
- 「将来の不安を解消するために、今からできる資産形成について知りたい」
どんな些細なことでも構いません。まずは初回無料相談で、あなたの「親の介護に関する不安」をお聞かせください。オンラインでのご相談も可能ですので、全国どこからでもお気軽にご利用いただけます。
あなたとあなたの親御様が、安心して暮らせる未来を築くために、FP事務所MONEY BASEが共に考え、お手伝いさせていただきます。