
出産・育児は、人生でもっとも幸せな時間のひとつ。
でも同時に、「家計が急に苦しくなった」と感じる方も少なくありません。
特に産休・育休中は、仕事を一時的に離れることになるため、
これまで通りの収入は期待できないという現実が待っています。
一方で、ミルク代やおむつ代、ベビー用品の購入など、支出は増えがち。
そんな中で必要なのは、「どうせ収入が減るから」と不安を感じることではなく、
制度を正しく知り、使いながら家計を整えることです。
この記事では、産休・育休中のママ・パパに向けて、
今すぐできる「家計の見直しポイント」3つをご紹介します。
家計見直しポイント①:「育休中の手取り収入」を知っておこう
まず押さえておくべきなのは、「育休中にどれくらいのお金が入ってくるか」。
「産休に入ったら給料がもらえないんでしょ?」
「育休って無給なの?」
そんな声をよく耳にしますが、実は複数の給付金制度により、一定の収入が確保されます。
以下に主要な制度をまとめました。
主な制度と支給内容(2025年現在)
制度名 | 対象期間 | 給付額 | 手取りの目安 |
---|---|---|---|
出産育児一時金 | 出産時 | 50万円(原則) | 医療機関に直接支給されるため、実費の支出が軽減される |
出産手当金 | 産前42日・産後56日(約3ヶ月) | 標準報酬日額の2/3 | 所得税・社会保険料は非課税。ほぼ9割が手取りで支給される |
育児休業給付金 | 育休開始〜1歳(条件により最大2歳) | 開始〜6ヶ月は賃金の67%、以降50% | こちらも非課税かつ社会保険料免除のため、最初の180日間は実質的な手取り率は約9割になる |
たとえば、年収400万円(月収約33万円)の女性会社員が出産し、1年間育休を取得した場合のシミュレーションを見てみましょう。
年収400万円・1年間育休の収入シミュレーション(手取りベース)
内容 | 金額(概算) |
---|---|
出産手当金(約3ヶ月分) | 約66万円(手取り) |
育児休業給付金(1年分) | 約200万円(手取り) |
出産育児一時金 | 50万円(病院に直接支払い) |
合計 | 約266万円の手取り相当 |
※給付金は非課税、かつ社会保険料も免除されるため、実質手取りとして使える金額で計算しています。
注意点:給付の「タイミング」に要注意!
給付金は申請から支給までに3〜4ヶ月ほどかかります。
たとえば、出産手当金は産後に書類を提出してから支給されるため、
出産前後の生活費はあらかじめ手元に準備しておく必要があります。
生活費3ヶ月分程度(60〜90万円)は現金で用意しておくと、安心です。
家計見直しポイント②:固定費の見直しで“毎月自動的に”支出を減らす

収入が減る以上、支出も見直す必要があります。
なかでも最も効果的なのが「固定費の見直し」です。
固定費とは、毎月ほぼ変わらず出ていく支出のこと。
一度見直せば、育休中だけでなく、その後の生活もラクになります。
見直しやすい固定費と節約効果
項目 | 節約例 | 節約額(月) |
---|---|---|
スマホ通信費 | 大手→格安SIM(LINEMO・楽天など) | -5,000円〜8,000円 |
保険料 | 過剰保障の見直し・解約 | -5,000円〜15,000円 |
サブスク | 不要なものを一時停止・解約 | -2,000円〜5,000円 |
電気・ガス | 新電力に切り替え | -1,000円〜3,000円 |
たとえば、通信費・保険・サブスクの見直しで月2万円の節約ができた場合、
年間で24万円の支出減!
特に保険については、「子どもが生まれるからこそ必要」と思われがちですが、
逆に過剰な保障に入ってしまうことも多いので、育休を機に見直しておくと良いでしょう。
家計見直しポイント③:出産・育児にかかる支出を“見える化”する
育休中に想定される「増える支出」を事前に把握しておくことも大切です。
赤ちゃん用品や医療費など、育児にかかるお金は意外と多いもの。
けれど、「全部新品で揃えなきゃ」と頑張りすぎると、簡単に数十万円単位の出費になります。
主な育児関連支出の目安
項目 | 初期費用 | 継続費用(月) | 節約ポイント |
---|---|---|---|
ベビーベッド・チャイルドシートなど | 5〜10万円 | - | メルカリ・ジモティー・レンタル活用 |
おむつ・ミルク代 | - | 8,000〜12,000円 | まとめ買い・クーポン利用 |
衣類・おもちゃ | - | 2,000〜5,000円 | おさがり・地域の譲渡会活用 |
医療費(予防接種含む) | 数千〜数万円 | - | 自治体補助を要確認 |
特に0歳児の1年間は「最も出費が多い」と言われます。
しかし一方で、ベビー用品の8割は半年〜1年以内に使わなくなるという統計もあります。
そのため、「必要なものだけを計画的に揃える」意識が非常に重要です。
地域のサポート制度もチェック!
自治体によっては以下のような支援がある場合もあります。
- 新生児へのお祝い金(例:3〜10万円)
- 紙おむつの支給
- ベビー用品のレンタル・無料譲渡
- 子育て応援チケット(公共交通・子育て施設の割引など)
住んでいる市区町村のホームページや保健センターに相談してみると◎。
まとめ|育休中は「家計を整えるゴールデンタイム」
育休中は、確かに収入が減り、支出が増えます。
でも同時に、家族と過ごす時間が増えるかけがえのない時期。
さらに、働きながらではできなかった「家計の見直し」や「お金の整備」に集中できるチャンスでもあります。
もう一度、今回の3つのポイントをおさらいしましょう。
- 育児休業中の「手取り収入」を把握し、現実的な生活設計を立てる
- 通信費・保険・サブスクなど、固定費の削減で“自動節約”を実現する
- 育児にかかるお金を“見える化”し、使う順番と優先度を整理する
「今だけ収入が減るから…」と不安を抱えるのではなく、
今だからこそできる家計改善に、ぜひ一歩踏み出してみてください。