
資産運用とは、将来のためにお金を増やす方法のひとつです。
「資産運用を始めたいけど、何から手をつければいいの?」
「どの金融商品を選べばいいのかわからない」
「リスクを抑えながら資産を増やすにはどうすればいい?」
このような疑問を持つ方に向けて、資産運用の基本から、具体的な金融商品の特徴、初心者が押さえておくべきポイントまでをわかりやすく解説します。
1. 資産運用とは?基本の考え方を解説
資産運用とは、預貯金や投資を活用して資産を増やす方法です。
ただし、運用方法によってリスクやリターンが異なるため、自分に合った運用方法を選ぶことが重要です。
ここでは、資産運用の目的や基本的な考え方について解説します。
2. 資産運用の目的とメリット
資産運用を行う目的は人それぞれですが、主に以下のような理由が挙げられます。
目的 | 内容 |
---|---|
老後資金の準備 | 公的年金だけでは不足しがちな老後資金を補うため |
教育資金の確保 | 子どもの大学費用など、将来の教育資金を準備するため |
住宅購入資金 | 頭金やローン返済に備えるため |
インフレ対策 | 預貯金の価値が目減りしないように資産を増やすため |
経済的自由の獲得 | 働かなくても収入を得られる仕組みを作るため |
特に、近年はインフレリスクが高まっており、預貯金だけでは資産不足に陥りがちです。
その為、物価高に負けない資産づくりとして、資産運用を始める方が増えてます。
3. 金融商品の種類と特徴
資産運用にはさまざまな金融商品があります。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。
MONEY BASEでは、低コストでリスク分散を発揮できる投資信託を推奨しています。
何から始めればいいか分からない方は、後述する非課税投資制度「NISA」×「投資信託」を検討されてみてはいかがでしょうか。
金融商品 | 特徴 | リスク | 期待リターン |
預貯金 | 銀行に預けるだけで元本保証あり | 低 | 低 |
債券(国債・社債) | 定期的な利息が得られるが価格変動あり | 低~中 | 低~中 |
株式 | 企業の成長に応じて利益が得られるが価格変動大 | 高 | 高 |
投資信託 | 複数の資産を分散投資できる | 中 | 中~高 |
REIT(不動産投資信託) | 不動産に投資し、家賃収入を得る | 中~高 | 中~高 |
不動産 | 物件を購入し、賃貸収入や売却益を得る | 中~高 | 中~高 |
金(ゴールド) | インフレや経済危機に強い安全資産 | 中 | 中 |
仮想通貨 | 価格変動が大きく、短期投資向き | 高 | 高 |
4. 資産運用の始め方|初心者向けステップ

資産運用を始めるには、以下のステップを踏むとスムーズです。
- 目的を明確にする(老後資金・教育資金・短期資産運用など)
- リスク許容度を確認する(自分がどれくらいのリスクを取れるか)
- 少額からスタートする(まずは少額で試してみる)
- 分散投資を心掛ける(リスクを分散するために複数の商品に投資)
- 定期的に運用状況をチェックする(市場の変化に対応する)
初心者は、低リスクの商品から始め、慣れてきたらリスクの高い商品に挑戦するのが理想的です。
1. 目的を明確にする(老後資金・教育資金・短期資産運用など)
資産運用を始める前に、まず「何のために運用するのか」という目的を明確にすることが重要です。目的によって適した運用方法やリスクの取り方が異なるため、運用の方向性を決める基準になります。
代表的な資産運用の目的と特徴
目的 | 運用期間 | 代表的な金融商品 | リスク許容度 |
---|---|---|---|
老後資金 | 20~30年 | iDeCo、つみたてNISA、投資信託 | 低~中 |
教育資金 | 5~15年 | 学資保険、債券、投資信託 | 低~中 |
短期資産運用 | 1~5年 | 預貯金、定期預金、株式投資 | 中~高 |
例えば、老後資金を目的とする場合は長期運用向きのNISAやiDeCoが適しています。一方、数年以内に使う予定の資金であれば、預貯金や債券などリスクの低い商品が選択肢になります。
まずは、自分が「いつまでに」「どのくらいの金額を」準備する必要があるのかを考え、それに合った資産運用の方法を選びましょう。
2. リスク許容度を確認する(自分がどれくらいのリスクを取れるか)
資産運用では、リターンを追求するほどリスクも伴います。そのため、自分がどれくらいのリスクを取れるのか(=リスク許容度)を理解しておくことが重要です。
リスク許容度を判断する要素
- 年齢:若いほどリスクを取る余地があるが、年齢が上がるにつれ安定運用が求められる
- 収入の安定性:収入が安定している人は多少のリスクを取れるが、不安定な場合は安全性が重視される
- 貯蓄額:生活費に十分な貯蓄があればリスク資産を増やせるが、貯蓄が少ない場合はリスクを抑える
- 投資経験:初心者はリスクを抑えた運用から始めるのが基本
一般的に、長期投資を前提とする場合はリスクをある程度取ることが可能ですが、短期間で必要な資金をリスク資産に投入するのは避けるべきです。自分の状況に応じた適切なリスク配分を考えましょう。
3. 少額からスタートする(まずは少額で試してみる)
資産運用を始める際は、いきなり大きな金額を投資するのではなく、少額からスタートするのがおすすめです。少額投資をすることで、運用の仕組みを理解しながら経験を積むことができます。
まずは、少額で試しながら投資の仕組みを理解し、慣れてきたら投資額を増やしていくのが理想的です。焦らず、着実に運用スキルを身につけましょう。
4. 分散・積立・長期投資を心掛ける(リスクを分散するために複数の商品に投資)
資産運用のリスクを抑えるためには、分散投資・積立投資・長期投資の3つを意識することが大切です。
① 分散投資(リスクを分散する)
「卵を一つのカゴに盛るな」という言葉があるように、一つの商品に資産を集中させるのではなく、異なる種類の資産に分散投資することでリスクを軽減できます。
分散の種類 | 具体例 |
---|---|
資産分散 | 株式・債券・不動産・現金を組み合わせる |
地域分散 | 日本・米国・新興国など、異なる市場に投資 |
時間分散 | 一度に投資せず、定期的に積み立てる |
② 積立投資(リスクを抑えながら安定運用)
一度にまとめて投資するのではなく、毎月一定額を投資する「ドルコスト平均法」を活用することで、価格変動リスクを抑えることができます。
③ 長期投資(時間を味方につける)
長期的に資産を運用することで、短期的な価格変動に惑わされず、複利効果を活かして資産を増やすことが可能です。
これら3つを組み合わせることで、安定した資産形成が実現できます。
5. 定期的に運用状況をチェックする(市場の変化に対応する)
資産運用は、始めたら終わりではなく、定期的な見直しが必要です。市場環境や自身のライフプランの変化に応じて、適切にポートフォリオを調整しましょう。
チェックすべきポイント
- 資産配分が適切か(リスク資産と安全資産のバランスを維持)
- 投資商品のパフォーマンス(期待通りのリターンが得られているか)
- 市場の動向(経済ニュースや金利動向を確認)
- ライフイベントの変化(結婚・出産・転職などによる資産計画の見直し)
目安として、年に1~2回はポートフォリオを確認し、必要に応じて調整することをおすすめします。定期的なチェックを行い、運用が目的に沿っているかを確認しましょう。
5. 新NISAとは?税制優遇を活用した資産運用

新NISA(少額投資非課税制度)は、2024年から開始された投資の非課税制度で、従来のNISAと比べて非課税枠や制度の柔軟性が向上しました。
新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの投資枠があり、組み合わせて利用することが可能です。
新NISAの枠 | 年間非課税投資枠 | 非課税期間 | 特徴 |
つみたて投資枠 | 年間120万円 | 無期限 | 長期・分散投資向けの投資信託に限定 |
成長投資枠 | 年間240万円 | 無期限 | 株式やETFなど多様な投資対象が可能 |
合計上限 | 年間360万円 | 無期限 | 両方の枠を組み合わせて利用可能 |
さらに、新NISAでは、生涯の投資上限額が1,800万円に設定されており、そのうち成長投資枠は1,200万円まで利用できます。
新NISAは長期の資産形成を支援するための制度であり、投資初心者から上級者まで幅広く活用できます。NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益に対する税金が非課税となる制度です。
通常、株式や投資信託で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISAを活用すると一定の投資枠内で非課税となります。
6. iDeCoとは?老後資金を作るための個人年金制度
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、将来の老後資金を作るための私的年金制度です。
掛金を積み立てて運用し、60歳以降に受け取ることができます。
iDeCoの最大のメリットは、以下の3つの税制優遇がある点です。
税制優遇の種類 | 内容 |
掛金の所得控除 | 掛金全額が所得控除の対象になり、節税効果が高い |
運用益の非課税 | 運用中の利益に税金がかからない |
受け取り時の控除 | 受け取り時に退職所得控除や公的年金等控除が適用される |
ただし、iDeCoは60歳まで引き出しができないため、短期的な資金用途には向いていません。
7. よくある質問(FAQ)
Q1. 資産運用を始めるのにいくら必要ですか?
A. 少額から始められる商品も多く、NISAやiDeCoを活用すれば、少額からでも投資を始めることが可能です。ただし、これらは金融商品ではなく、税制優遇制度である点に注意が必要です。
Q2. 初心者におすすめの資産運用方法は?
A. まずは預貯金、投資信託、iDeCo・NISAなどの税制優遇制度を活用するのが安全です。
Q3. リスクを抑えるためにはどうすればいいですか?
A. 分散投資を行い、異なる種類の資産に分けて投資するのが基本です。
8. まとめ
資産運用は、将来のためにお金を増やす大切な手段です。
しかし、リスクを理解し、自分に合った運用方法を選ぶことが重要です。
まずは、少額で始められる投資信託やNISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用し、少しずつ経験を積んでいきましょう。
適切な資産運用を行うことで、将来の安心と経済的な自由を手に入れることができます。